岡山県アパレル工業組合の対応
■国内初のエコ産地目指し---99年に産地環境ビジョン発表
岡山県アパレル工業組合は99年2月、「岡山県アパレル産地環境ビジョン」を発表した。産地環境ビジョンとしては全国でも初めてで、産地型ゼロエミッションの実現を長期目標に置き、「まず出来ることから着手する」ことでスタートした。
同ビジョンを作るきっかけとなったのは、98年1月に開催した「98岡山繊維産地フォーラム」のなかで「ものづくり」「まちづくり」「環境」の3つの視点で分科会が設置され、「環境」の分科会からエコ産地実現を目標とした取り組みに発展した。
環境ビジョンは繊維産業構造改善事業協会の「産業廃棄物等に関する調査・研究事業」を受託し、富澤修身大阪市立大学商学部教授を研究委員会の座長に招いて、繊維産地としての環境ビジョンを初めて作成したもので、98年12月にまとまった「新繊維ビジョン」で掲げている環境保全や「岡山県環境基本計画」とも照らし合わせながら、実行プログラムとしての
- (1)企業として行うべき事項
- (2)産地として行うべき事項
- (3)まち作り、生活環境整備への協力
- (4)国・県・各市への要望
に分けて具体的な産地環境マニュアルを作成した。
とくに産地として行うべき事項では、組合内にエコ産地委員会を設置し、実施担当機関を作り、その中で産地全体としての負荷計算を行い、共同事業やISO取得サポート、エコネットワークの形成、学習・教育訓練・啓発などに取り組んでいる。 また、目標数値として、短期目標でグリーン購入ネットワークへの加入促進。中期目標でエコマークの取得拡大。そして長期目標として産地型ゼロエミッションの実現を目指している。
具体的な取り組みが始まったのは99年9月に「エコ産地委員会」を設置してからで、第2回目の「産業廃棄物等に関する調査・研究事業」のアンケートを 00年8月に実施した。第2回目のアンケートを基にカタログのエコ化、包装の簡素化、無地箱化、省エネ、再生紙等の使用に取り組み、その中で段ボール箱の無地化を具体化してきた。 また、00年10月の瀬戸大橋祭りでエコバック等の「手作り体験工房」に取り組んだ。その後、00年度からエコ商品の開発に着手し、特定中小企業活性化促進事業の中でエコ商品の開発並びに展示求評会、販路開拓を3カ年事業で取り組んでいる。
秋篠宮ご夫妻がエコ展に来場され、
岡山県のブースに深い関心を示された
▼秋篠宮ご夫妻が来場、岡山のブースに深い関心
「ニューアース2002」会期2日目の17日には秋篠宮ご夫妻が来場されて、2号館、3号館を巡覧。
「エコ・ファッションコーナー」では会期中に催されていたファッションショーを見学された。また、ご夫妻は岡山県アパレル工業組合が出展している小学生服に特別な興味を寄せられた。それに対し、同組合の河合達朗理事長がエコ制服をはじめとした現在の取り組みについて熱のこもった説明を行うなど、ご夫妻は深い関心を示されたご様子だった。
岡山県アパレル産地エコ関連年表
97年2月 | 「岡山県アパレル産地ビジョン」策定 |
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98年1月 | 「98岡山繊維産地フォーラム」開催 第3分科会「環境問題に取り組む岡山繊維産地」を設置し議論 フォーラムの「実行提言」で環境を取り上げた。 |
98年11月 | 「産業廃棄物等に関する調査研究事業」の中で、第1回アンケートを行う |
99年2月 | 「岡山県アパレル産地環境ビジョン」策定 |
99年9月 | エコ産地委員会設置 |
00年4月 | 産地エコロジー展 テーマ:未来の子どもたちのために |
00年8月 | 「産業廃棄物等に関する調査研究事業」の第2回アンケートを行う |
00年10月 | 瀬戸大橋祭りでエコバック等の「手作り体験工房」を行う |
00年度 | 特定中小企業活性化促進事業でエコ商品の開発に着手 (2003年度までの事業) |
01年8月 | 「岡山国産エコ・ユニフォーム総合展示会」を開催 |
02年3月 | 「エコ新商品開発求評展示会」を開催 |