1. ヒゲ加工
ジーンズを履き込むと、股間・太ももから外側にかけて色落ちし、履きジワが現れます。この履きジワにこだわり、自然に現れたように表現するのが、「ヒゲ加工」です。履きジワのパターンを起こした型に、ジーンズをはめて手作業で生地をこすり、色を落としていきます。
2. ヒゲ型のこだわり
「ヒゲ」には、こだわりがあります。オリジナルの型がそれぞれあり、ヒゲ加工の命です。ストレートジーンズを少しルーズに腰で履くと、ヒゲは下に出る。スリムなジーンズをタイトに履くと、ヒゲは上に出ます。ジーンズのシルエットにより、微妙にヒゲの出方が変わります。履いてみて自分にあったもの、シワが自然に入っているものを選んでください。
3. シェービング加工
太ももの部分や、膝、ヒップポケット部分の色落ちも、ユーズド加工で表現します。「太ももと、膝だけ強く」、「足をよく組む感じに、ふくらはぎの裏側を強く」、「太ももの外側のを強めに出して」など、ユーザーの好みが反映されます。
4. ほつれ加工
裾部分は、履きこんでいくうちに、靴で踏んでしまい、ほつれてしまいます。そんな自然な感じが出るように、サンダーで加工します。何年もジーンズを毎日愛用してきたかのように、自然な表現を追求しています。ジーンズは、ヒゲ、シェービング、ほつれ加工の後、洗いに出します。味が出るのは、やはり手作業ならではです。
5. ジーンズの顔が完成
洗い後は、ジーンズの顔が完成する瞬間です。ユーズド加工が登場して、約10年ほど。始めは画一的だった加工も、よりリアルに、ビンテージ感が求められるようになってきました。ジーンズ=児島といわれています。全国にも数箇所ユーズド加工所がありますが、他には負けてはいられません。日々、研究しながら、ユーズド加工の最先端を行きます。
取材協力:有限会社スラッシュエイト